夏の帽子を編む SASAWASHI FLATを使ってみました

制作記録

この頃は年中棒針編みで冬物を編むことが多くなっていましたが、暖かくなってくるとやっぱり春夏素材の糸に目移りして、かぎ針編みの帽子やバッグを編みたくなってきます。

今年私がいちばん気になったのが、ダルマから発売されたSASAWASHI FLAT
「夏のサマーハットがきれいに編みあがるように」という商品紹介とサンプル作品の画像に目が釘付け。そしてこの糸を使った「Summer hat」の作品がどれも美しく、かつ使いやすそうだったので、「これが自分で編めるなら!」と久しぶりにかぎ針を手にウキウキと編み始めたのはいいですが…

トップの形がうまく整わない!

カッチリ編もうと思ったらキツすぎ、逆に緩めたら編み地がでこぼこ。あれ、どうやったらコロンときれいな形になるの?

撚りのかかっていない薄いテープ状のパリッと硬めの糸。かぎ針編みの勘を取り戻すのと手加減をコントロールするのに手間取りました。編み直すこと4、5回目でようやく思い描いたトップの形が見えてきました。

ちなみにこれが完成作と失敗作です。同じ目数で編んでいるとは思えない違いですね。

失敗のほうは、編み始めをキツくなりすぎないように少し緩めに編んでいたら編み地が波打ち、最後にスチームで仕上げればなんとかなるのではと淡い期待を抱きながら編み進め、手が慣れてきたらクラウン(側面の頭周りの部分)にかけてだんだん手がキツくなってしまったためにこんな悲惨な形に、という結果です。
これはもうスチームでリカバーできるレベルではありませんね。何度も編み直して糸もくたくたになってしまったので諦めて新しい糸で編み直しました。

この手の硬い糸を編み慣れていない場合は、必要量より少し多めに用意しておいて初めに何度か練習してみることをお勧めします。簡単に破れたり切れたりはしませんでしたが、和紙素材なので編み直しているうちにどうしても最初のハリがなくなり、撚りもかかって細くなってしまいます。試し編み用と割り切って使い倒して、本番は新しい糸で気持ちよく編み始めるのがいいと思います。

ブリムは目を増して編み広げていくうちに若干波打ってきますが、最後の縁編みで編み地が落ち着きました。写真の左半周が縁編み前、右半周が縁編み後です。お好みでテクノロートを編み込んでもいいと思います。

急がずに1目1目形を整えながら編む。半周くらいずつ編み地の様子を見て編み目が揃っていないところがあったら早めに解いて修正していく。何度も編み直した末にたどり着いたコツは、あまりにも当たり前のことですが、とにかく地道に丁寧に編むに尽きる、ということでした。
慣れるまでちょっと時間はかかりましたが、編み地にハリがあって型崩れも心配なさそうなので満足な仕上がりです。

数年前に編んだ2点と今回編んだエッジラインハット集合。真ん中のボーダー柄ブリムはSASAWASHI、右のブラウンはエコアンダリアを使っています。

3種の糸をを編み比べてみましたのでご参考まで。
すべて5号かぎ針で、作り目6目、毎段6目ずつ増やして10段編んでいます。

SASAWASHI FLATSASAWASHIエコアンダリア
直 径8.6cm10.2cm9.8cm

SASAWASHI FLATは一回り小さく、厚みも他の2点に比べて薄いです。なので、例えばエコアンダリアの代用で使いたい、という場合はサイズに注意が必要ですね。
SASAWASHIはざっくりとナチュラルな風合い、エコアンダリアは少しツヤがあります。
編みやすさでいうと、この中では比較的柔らかいエコアンダリアかなと思いますが、それぞれに編み上がりの表情が違うので、用途や好みで選びたいですね。

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