群ようこさんの編み物エッセイ「毛糸に恋した」

編み物本

Amazonをブラウズしていて偶然出会った一冊、群ようこさんの編み物エッセイ「毛糸に恋した」。
編み物好きとしてはこのタイトルは見過ごせません!
群ようこさんと言えば、私が真っ先に思い浮かべたのは「かもめ食堂」。他にも多くの小説、エッセイを出していらっしゃいますが、編み物をされるとは知らなかったので興味津々。

この本は1986年に晶文社より刊行された「〈編物〉術・毛糸に恋した シリーズ〈日常術〉 (1)」を 、1997年に文庫版に改訂して幻冬舎文庫から刊行された物ですが、現在あるのは電子書籍版のみです。
本はできれば紙で読みたいのですが、古本や図書館を探すのももどかしく、Kindle版で読んでみました。

編み物が上手なお母様との思い出や、小学生の頃に始めたかぎ針編み、学生時代に友達のボーイフレンドにセーターを編んでいたエピソードなどの編み物遍歴を楽しく辿りつつ、編み物好きであれば「うん、わかる、わかる」という共感ポイントもそこここにあり、スイスイと軽快に読み進んでしまいます。

婦人雑誌をスクラップしたり海外の雑誌を購読しながら、パターンを自分なりにアレンジするなど、自己流と言ってもかなりの腕前の様子。毛糸もじっくりと気に入った物を選び、糸を活かすデザインを考えて、と極め方と編み物への熱意は半端ではありません。

一方で、編み上がった物が気に入らなければさっさとほどいてしまったり、人にあげてしまったりして、編んだ物に過剰な執着のないところもさっぱりしていて気持ちがいい。
「だいたい編み物をする女性は、みんなサバサバしているわね。めめしい性格は編み物に向いてない。」(本文より)とご自身でも語っています。

今から30年以上前の本ですが、編み物の魅力や奥深さに夢中になる気持ちは時代に関係ないですね。
楽しい編み物仲間ができたような気分になれるこの本、おすすめです。

群ようこさんが集英社のサイト[ヨミたい]で2020年3月より「今日は、これをしました」という連載をされているのを見つけました。
この中に「でも、編みたい」という群さんの最近の編み物の様子が垣間見られるエッセイがありましたので、こちらもどうぞ。

群ようこ 幻冬舎文庫

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