アランカーディガンを編む(番外編)糸選び

ケーブルやハニカムをはじめ、交差編みから生まれるくっきりとした凹凸が美しく印象的なアラン模様。きれいに見せるには糸選びも大切です。コシがあってふっくらと弾力のある糸を選べば多少目が不揃いでも目立たないかも?
カーディガンを編むにあたって候補にしていた糸を編み比べてみました。

パピー ブリティッシュエロイカ

小物でもウェアでも指定糸になっていることが多い[ブリティッシュエロイカ
これを選んでおけば間違いなしと言える信頼できる定番糸です。
50g巻/83m。ウェア向きのベーシックな色はぜひ100gカセも出してほしい!
この糸の特徴は英国羊毛が50%以上入っていることによる、ふっくらとした手触りとしっかりとしたハリ、コシがあること。柔らかい糸が好みの人にはゴワゴワと感じるかもしれないけれど、編み地はフカフカと気持ちよく仕上がります。
ただ、水通しすると伸びやすいので注意。前に帽子を編んだ時はサイズも編み地の雰囲気もビックリするくらい変わってしまったことがありました。スチームだけで仕上げたほうがアラン模様のムギュッとした感じが楽しめると思います。水通しをしたい場合は少しきつめに編んだほうがよさそうです。本番を編む前にスワッチで確認することをお勧めします。

スキー UKブレンドメランジ

一度ウェアを編んでみたいな、と最後まで迷った[UKブレンドメランジ
40g巻/70m。こちらも英国羊毛が50%以上入っていてブリティッシュエロイカと似た質感の糸です。糸の状態だとブリティッシュエロイカより若干細くて柔らかい感じがしますが、編み地の手触りやゲージはほぼ同じでした。

パピー ミニスポーツ

極太でムチッとした質感の[ミニスポーツ] 50g巻/72m。
模様はきれいに出るのですが、この糸でびっしりアラン模様を編み込むデザインの物は重すぎるかもしれません。ざっくりとしたメンズニットなんかに向いていそうです。

アヴリル ワッフル

最終的に決めたのは[ワッフル] 1gあたり1.6m。必要な分を量り売りでコーン巻きにしてくれます。
撚りがしっかりしていて、固めの糸です。今まで水通しすると伸びる糸のほうが多かったので、初めての縮絨仕上げの糸に「縮む?」とピンとこなかったのですが、撚りがほぐれてふわーっと膨らむ分、目が詰まる感じです。仕上げが終わると編み目がきれいに揃って、編み地も柔らかく風合いがよくなります。
縮率はだいたい96%でしたが、個人差もあると思うので事前の試し編み、縮絨のテストをお勧めします。

今回ワッフルで編んだカーディガン

ておりや モークルールB

6本撚りでしっかり固めの糸[モークルールB] 100gカセで160m。
カセ売りなので巻くのが一手間ではあります。編み地はしっかりとツイードぽい手触りで個人的にはとても好きな糸ですが、好みは分かれるかも。
この糸は水通しをしてもほとんどサイズは変わりませんでした。
三國万里子さんのアランセーターを編んだ時に使いましたが模様もきれいに出て、カッチリ目の仕上がり。着ていくうちに馴染んで育っていくのが楽しめそうです。

モークウールBで編んだ三國万里子さんのアランセーター

まとめ

スワッチを並べてみます。すべて10号の針で同じ模様を編みました。


ちょっとわかりづらいですが、ミニスポーツが若干大きめです。それ以外はすべて1gあたり1.6m程度の糸で、編み地の大きさもほぼ同じになりました。既成のパターンで代替え糸を選ぶ時も、1gあたりの糸長を計算して比較してみると目安になると思います。

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