編んだまではいいけれど、とじ、はぎ、とか糸始末はちょっと面倒、という方も多いかもしれませんね。
私も面倒というか苦手というか、いざまとめるとなると気が乗らないこともあります。もう次に編む物のことばかり考えたりして。
でも、このままでは着られませんからね。さあ、あと一息。
パーツのまとめ
とじ、はぎをする前にスチームアイロンで形を整えておきましょう。今回は端がかのこ編みで平らなのであまり影響ありませんが、メリヤスで端が丸まっている時などは作業が断然楽になるし、仕上がりもきれいです。
では、以下の順番でまとめていきます。
- ラグラン線をとじる
- 衿を編む
- 脇と袖下をとじる
- 前立てを編む
セーターの基本的な編み方、編み図の見方、とじ、はぎの仕方がコンパクトにまとまっていておすすめの本です。この本を見たら、袖のつけ方とか、袖下のとじ方など、自分が適当にごまかしていた所が解決できました。
ラグラン線
脇のまちはメリヤスはぎ、ラグラン線はすくいとじにします。糸を引きすぎたり、逆にゆるくなったりしないように気をつけて。きりりとラグラン線が現れます。
今回は編むときに合印を入れおいたので段を合わせるのが楽でした。


衿を編む
次は衿を編みます。
前身頃、肩、後ろ身頃からそれぞれ均等に目を拾っていきます。身頃と袖をすべて抱え込みながら編むので、さすがに重たい。まさにクライマックスという感じ。
ねじり目の1目ゴム編みで好みの高さまで。首元がスースーすると落ち着かないので少し高めの衿にしました。
編み終わりですが、とじ針を使った1目ゴム編み止めは苦手なのでなるべく避けて通りたい。前開きで伸縮はそれほど必要ないから伏せ止めのバリエーションで止めました。通常の伏せ止めよりは少し伸びがいいくらいだと思います。

文章だけでわかりづらいかもしれませんが、こんな手順です。
- 右端2目を裏目の左上2目1度で編む
- 次の目を表編みのねじり目で編む
- 1.の目を2.の目にかぶせる(伏せ止めの要領)
- 糸を手前にして右針に残っている目を左の針に戻す
- 裏目の左上2目1度を編む
以降、2.から5.を繰り返す
「棒針の作り目と止め 211種類のバリエーション」という本を参考にしました。ちょっとマニアックな本かもしれませんが、用途によって合った方法を知りたいときはいいですよ。
脇と袖下をとじる
脇と袖下をすくいとじしていきます。ここも編むときに合印を入れておきました。まち針で止めるだけだといつの間にか数段ズレてしまうことがありますが、これならとじながら段数を確認する手間が省けます。仮にズレても目立たないように軌道修正しやすいというメリットもあります。

前立て
今回は身頃から拾う編み方ではなく、細長い別パーツを編みました。1本はボタンホールを作って、左右間違えないように身頃にとじ合わせます。

仕上げ
パーツがすべてつながって、糸始末も終えました。先に水通しをすることにしてボタンつけは最後にします。

水通し
今回使った糸はアヴリルのワッフルです。
仕上げに縮絨すると風合いが良くなるということで、糸を買うと説明書をつけてくれます。
一応、最初に試し編みをして縮絨後の縮み率も出していますが、取り返しのつかないことになりませんように、とちょっと緊張します。
- ぬるま湯に10分くらい浸ける
説明書では「シャンプーを溶かして」となっていましたが、私はユーカランを使いました。 - 押し洗い
洗うと水溶性の紡績油が溶け出すという注意書きがあります。画像ではわかりづらいですが、確かに水は白濁していました。
紡績油は完全に落とす必要はないそうです。ユーカランも本来はすすぎの必要がない洗剤なので軽くすすぐだけにしました。 - 脱水
ネットに入れて洗濯機で1分間脱水します。 - 干す
ダイソーで200円で売っていた平干しネットを使いました。安くて便利な物がありますね。完全に広げるのは無理ですけど、形崩れしないように整えて置くには問題ない大きさです。ネットだから通気性もいいですしね。
完成
最後にボタンをつけて、完成!


懸念していたサイズを水通しの前と後で比較してみました。ちなみにレディースのSサイズです。
水通し前 | 水通し後 | 縮み率 | |
---|---|---|---|
身幅 | 49cm | 47cm | 約96% |
着丈 | 56cm | 54cm | 約96% |
袖丈 | 62cm | 61cm | 約98% |
一目見て分かるほどの縮み方ではないものの、少し小さくなりました。
糸がふっくらとして目が詰まった分、若干縮んだということですね。編み目が揃い、編み地も水を通す前より柔らかくなって着心地がいいです。
糸の使用量は700g弱くらいでした。
デザインを考えてスワッチを編んでいた頃を含めると制作期間は2ヶ月弱ほど。
手を動かし始めてからはあまり迷いなく、自分でも未知の完成の姿を楽しみに編み進んできました。
仕上げまで終わって手を離れると、こうすればよかった、ああすればよかったというのも出てくるし、これから着てみてさらに気づくこともあると思いますが、ひとまず満足。
さあ、次は何を編もうかな。